厚生労働省の社会保障審議会給付費分科会は、平成30年度介護報酬改定に向けた議論を開始した。 厚労省が示した検討の進め方の案などに対し、全委員から意見や要望などの表明が有った。 進め方の検討事項の例として、▽小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の、 サービス提供量の増加や機能強化・効率化の観点からの人員基準や利用定員のあり方、 ▽特別養護老人ホームの施設内での医療ニーズや看取りに、より一層対応出来る様な仕組、 ▽訪問介護における生活援助を中心にサービス提供を行う場合の緩和された人員基準のあり方、 ▽介護医療院の報酬・基準や各種の転換支援策…などを挙げた。
塩崎厚生労働相は衆議院厚労委員会で、平成30年度診療報酬改定で遠隔診療やAI、 IOT等の技術を診療報酬に組み込む方向性について、「質が高い医療を効果的 ・効率的に提供していく観点から。改正に向け中医協において検討を進めて行きたい」と述べた。
財務省は同日、平成29年度社会保障関係予算や社会保障を巡る状況、 主な論点と改革の方向性をまとめた一連の資料を提示した。その中で、 医療や介護など計38の改革項目と改革の方向性を提示。このうち、 「診療報酬(入院基本料)」では、「地域医療構想において、 将来の少子高齢化を踏まえて急性期から回復期への転換が求められていることも踏まえ、 7:1入院基本料について、重症度・看護必要度などの算定要件の一層の厳格化を行うべき」 などと指摘。「診療報酬(療養病床)」では、 「介護医療院等の受け皿に係る報酬等の検討と併せて、 療養病床の報酬水準や算定要件の適正化・厳格化をはかり、 医療の必要性が低い患者を対象としている病床について、 生活機能を兼ね備えたより効率的な受け皿への移行を促していくべき」としている。
政府提出「地域包括ケアシステム強化法案」は衆議院本会議で、 自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決、参院に送付された。 一方、民進党の「介護崩壊防止法案」は否決された。
安倍首相は「新たな医療・介護・予防システムの構築に向けて」を議題に開いた 「未来投資会議」で、「対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせれば、 かかりつけ医による継続的な経過措置を無理なく効果的に受けられるようになる。 こうした新しい医療を次の診療報酬改定でしっかり評価する」との考えを示した。
厚生労働省は、「医療放射線の適正管理に関する検討会」の初会合を開いた。 同検討会の目的は「医療放射線の管理に係る基準等について検討する」としている。 検討項目として、「新たなカテゴリーの放射性医薬品や技術への対応」など6項目を挙げた。
塩崎厚生労働相は衆議院厚労委員会で「本体部分についても配慮して行かなければ いけないと言う事はその通りだが、まずは経営実態をしっかり調べて、 その上でどういう事を成功すべきなのかを考えて行かなくてはいけない」と述べた。
安倍首相が「経済・財政一体改革(社会保障改革)」などを議題に開いた経済財政諮問会議では、 民間議員が「医療・介護を始めとする社会保障制度改革の推進に向けて」と題した資料を提出。 「医療・介護費の効率化」」に向けた施策として、@各種計画等の推進・実行と医療・介護の連携強化、 A保険者等のガバナンス強化、B生涯現役社会の構築と健康増進・予防の推進…を提示。
介護保険については、「介護給付金が大幅に増加」「総報酬割導入を見込み、
1人当たりの介護給付金が7.73%増」と発表。健保連によると、法案審議中である
「総報酬割」(29年8月分から2分の1総報酬割合)の導入を見込んだ予算を編成しており、
1人当たりの介護給付金は前年比6,683円、7.73%増の9万3,182円となった。
以上